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効率的なマネジメントの秘訣（テキスト）

今から200年前、 産業革命が始まったころは、 世界のほとんどの国は、 困といえる状態でした。 その後、 私たちは、エネルギー革命、技術革新、コンピュータの発達などを経験してきました。この先端技術のおかげで、西欧諸国 から貧困は一掃され、 多くの富が作り出されてきました。

　しかし、実際の功労者は、 技術でも、 イノベーション、いわゆる思考改革でもありません。 それは、マネジメントの改革だったのです。 偉大な進歩の功労 者は、 企業、 その他の組織の最高幹部から下級管理者に至るまでの、あらゆる レベルでのマネージャーでした。

　このセッションでは、 その功労者を「エクセレントマネージャー」と呼ぶ ことにします。 それでは、卓越したリードで頂点を目指すために必要な、 21のキーワードについてお話ししましょう。

　私は、マネジメントについて研究し、ビジネスの学位をとりました。 そして、 多くの会社のコンサルタントや研修担当者として、また幹部役員として働いて きました。 現在でも、多くのマネージャーたちと仕事をしています。 その中で 面白い発見がありました。 それは、20%のマネージャーが、 全体の成果の80% を上げているということでした。 言いかえれば、 80%の他のマネージャーは、 20%の成果しか上げていないということです。

　そこで、このセッションの目的は、あなたをトップの20%に引き上げるためのテクニック、手段、 方法及びアイディアを提供することです。 もし、あなたが すでに、トップ20%の仲間入りをしているなら、あなたが、 このプログラムに時間を割くことによって、 次の目標の、 トップ5%の仲間入り、そしてトップ 1%へのランクアップに役立ててください。

　マネジメントには、正確な定義づけはありません。 私もマネージャーでし た。 多種多様な企業で働きました。 そして、マネジメントには、どれが正し いという決まった答えがないことを悟りました。 しかし一方では、マネジメント にはまだ学ぶべきものが多くあります。

　ビンス・ランバーディが、プロ・フットボールのグリーンベイ・パッカーズを引き継いだとき、ある人にこう尋ねられました。

「このチームのマネジメントを、 どう変えていくつもりですか? 何か新 しいアイディアがあるんですか?」

　彼は答えました。 「いや、そんなものはありません。 基本を磨き上げるだけ です」。 基本を磨き上げる・・・・・・私の推定では、マネージャーの成功の80%は、 この基本にあると思います。 しかもこれは、マネージャーの活動の20%を占 めているにすぎません。

　私が、ここで指摘したい点の1つは、他のマネージャーが、長年かかって 開発した方法を使えば、あなたはほんの数日で、 素晴らしいマネジメント術を マスターできるということです。

　このプログラムに含まれているアイディアは、何年にもわたる経験と研究、 それに、 何百冊もの本と、何千人もの第一線のマネージャーから引き出されたものです。

　さて、マネージャーとは何でしょう？　マネージャーとは、 他人と共に仕事 をする人、 他人を使って職務を遂行する人のことをいいます。 しかし、そうし たマネジメントでは、 充分ではありません。 より優れたマネージャーにならなければなりません。 優れたマネージャーとは、 人と共に働き、 自分と部下の脳力を最大限に発揮させて、 常に安定した、優れた業績を上げる人のことをいうのです。 伝統的な研究によりますと、平均的な人間は、 その脳力の50%以下 の力しか発揮していません。 ときには 40%、30%以下にもなっています。

　優れたマネージャーは、 そうした人たちの脳力を引き出します。ときには、 100%の力を発揮させるような環境を作り出します。

　一例を申し上げましょう。 人は就職すると、 まずひとりのスタッフとして働 き始めます。 スタッフとしてよく仕事をし、よく学び、 よく指示に従って、 優 秀なスタッフとして成長します。 そうして進歩していくにつれて、やがてマネー ジャーとなるための脳力が身についていきます。 マネージャーになると仕事 を統括し、 監督し、点検するという責任を持つようになります。 マネージャー として優秀であれば、さらに成長を続け、 昇進の階段を登っていきます。

　このことは、軍隊、 政府機関、 公共団体、あるいは会社の中で、人が権威、 権力、 地位を得ていく過程でもあります。 階段を上がり、マネージャーになり ます。 マネージャーの仕事は、単に監督をするだけとは違います。 非常に多く のことをやらなければなりません。 いったんマネージャーになると、さらに昇進を重ね、優れたマネージャーへの道を歩むことになります。

　さて、優れたマネージャーになるということは、どういうことでしょうか？ それは、委託された資源を使って、良い業績を上げることを意味しています。 そうして、トップの座に就く指導者になることです。 ですから、 どの指導者も 一時は人に従っていました。 どの指導者も、優れたマネージャーであり、優れ たリーダーでした。 また、優れた部下でした。 私の仕事は、 現在あなたがいると ころから、あなたの進みたいところへ、 できるだけ早く押し上げることです。

　指導者は、いつも不足しています。 指導者とは、その脳力を最高に開発した マネージャーに他ならないのです。 そこで、 エクセレント・マネージャーにな るための21のキーを見てまいりましょう。

[1] 効率的なマネジメントの秘訣

　第1のキーは、 効率的なマネジメントの秘訣です。 目標を達成させるための脳力を、いかに効率良く集中させていくか考えてみます。

　まず、最初の質問に答えてください。 「なぜ、あなたは雇われているのですか? 何をするために、あなたは雇われているのですか?」「なぜ、あなたは給料を もらっているのですか?」 優れたマネージャーは、いつも自分に、こう問いかけています。

　第2の質問です。 「あなたは、 具体的にどのような成果を達成するために雇われているのですか？」 優れたマネージャーは、結果を重視します。 途中経過 や、活動ぶりではなく、 自分が雇われている理由となっている達成すべき成果 から目を離しません。

　第3の質問です。 あなたが、会社に与える真の成果とは、いったい何でしょう。 つまり、 「あなただけにしかできないことで、 会社に重要な変化をもたらす貢 献とは、どんなことですか?」

　「80対20の法則」に照らせば、ほとんどの人は、 持ち時間の80%を使っ て仕事の80%をやりますが、 その貢献度は、わずか20%です。 優れたマネー ジャーは、うまくやり遂げれば大きな変化を生み出すような、小さな仕事にも 注意を集中しています。

　「考える」ということの大切さを、認識してください。 IBM の創立者、 トー マス・ワトソン・シニアも、これを強調していました。 自分の仕事を細かいと ころまで、よく考えることです。

　マネジメントの仕事で、最も重要なものの一つは、考えるための時間を持つことです。よく考え、よく分析することです。 「何をしようとしているのか？」 「どのようにしようとしているのか？」

　この2つの質問は、 繰り返すことに意味があります。 繰り返すことで、 あなたの認識力が深まり、 理解の範囲が広がり、 有益な答えやアイディア、洞察力を得 ることができます。 短い期間で、 大きな貢献をすることができます。

演習｜ワーク

動画を視聴後、以下の問いに答えてみてください。

効率的なマネジメントの秘訣

質問１. なぜあなたは雇われているのか？（なぜあなたは経営者として人を雇っているのか？）

質問２. 具体的にどのような成果を達成するための、あなたは雇われているのか？
（具体的にどのような成果を達成するために、各スタッフを雇っているのか？）

質問３. 会社に重要な変化をもたらすために、あなただけにできる真の貢献とは何か？

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